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心の残る良作アニメ「いぬやしき」の感想を綴る。

こんにちは。

「いぬやしき」というアニメをしっていますか。

「GANTZ」などで知られる漫画家の奥浩哉原作のアニメなのですが、筆者はアニメで「いぬやしき」を知りました。そして同クールのアニメの中では一番好きでした。

「GANTZ」は全く好きではない、というかむしろ嫌いでしたが、同じ作者の作品でもいぬやしきは筆者に合っていたのかもしれません。最終話でめっちゃ感動し、アニメではEDの曲が途中から流れ始めるのですが、クアイフの「愛を教えてくれた君へ」が名曲すぎるでの泣いてしまいました。

これがその最終話の最後のシーンです。

老人が主人公でこんなに面白いアニメがあっただろうか。

ということで今更ですが、「いぬやしき」の魅力をネタバレありでまとめてみました。

いぬやしきってどんなアニメ?

現代の日本。老人のような外見の冴えないサラリーマン・犬屋敷壱郎は、会社や家庭からも疎外された生活を送っており、ようやく購入した一戸建てすらも家族の歓心を得ることができなかった。追い打ちをかけるように胃ガンだと診断され、余命3か月を宣告される。ガンのことを家族に打ち明けるタイミングが見つからず、打ち明けたとして家族が悲しんでくれるか思い悩む犬屋敷だったが、犬の散歩中に、高校生・獅子神皓と共に非常に小さな宇宙人による事故に巻き込まれ死亡してしまう。事故を隠蔽したい宇宙人によって、犬屋敷と獅子神は生前の記憶や精神を持った機械の身体となって蘇る。-wikipediaより

宇宙人の事故によって機械の体になった二人の男が対照的に描かれる。

いぬやしきの主人公はもちろん冴えない初老のサラリーマンである犬屋敷さんですが、もう一人、主人公格といっていい、サイコパス高校生の獅子神皓というキャラクターがいます。そして作品を通して、この犬屋敷さんと獅子神は対照的な存在として描かれていたように思います。その二人がアニメでどのように描かれていたかを見ていきたいと思います。

冴えないサラリーマンの犬屋敷さん

犬屋敷さんは冴えないサラリーマンをしています。とても58歳には見えない見た目であり、おじいちゃんに間違われるほどです。まず疑問に思ったのが、作者が一体なぜこのようにキャラを作り出し、そして主人公に選んだのかということでしょう。漫画を自分で描いたことのある人はほとんどいないと思いますが、自分が描く作品の主人公ですよ。やっぱりどちらかというとむしろ獅子神のようなルックスでかっこいい主人公を描きたいと思うのではないでしょうか。でも犬屋敷さんはまったく反対です。誰からも疎まれるような立場で生きている人でした。会社では当然のように窓際社員で誰も存在にも気づかないほどです。家に帰れば家族からもぞんざいに扱われ、冒頭でせっかく家を買ったのに子供たちから侮蔑に満ちた目を向けられたり、家族で外食かと思ったら、なぜか犬屋敷さんだけ家に残り、なんか食べてました。。。。

いぬやしき

出展:いぬやしき

いやさすがに同情するわ!!

ただ、実際こういうお父さんって一部本当にいると思うわけですよ。気が強くてプライドの高い人であれば、子供たちや奥さんにも強く打って出ることもできるのでしょうが、犬屋敷さんは元々生まれ持った優しさゆえにそのようなことはできません。家族があるといっても本当に寂しい生活をしていました。筆者は特に調べたわけではなく、これは純粋にアニメを見ていたものとしての感想ですが、犬屋敷さんのような主人公を作者が生み出したのは一種のこの社会に対する風刺のようなものではないかと思います。というかたぶん「GANTZ」のときから同様の表現が好きだったし。

いぬやしきさんと花子

出展:いぬやしき

そんな犬屋敷さんの唯一の味方は仕事帰りに拾った犬である「花子」だけでした。やっぱり犬はいいね。どんな時でも犬屋敷さんのことをやさしく見つめていました。

出展:いぬやしき

ある時、作中では冒頭ですが、夜の公園で犬屋敷さんと獅子神は宇宙人の事故現場に遭遇します。その宇宙人の二人の直し方がまた雑。“兵器ユニットしかありません”とか。

出展:いぬやしき

ふざけるなああああ!!この宇宙人たちはもう登場しません。そして犬屋敷さんと獅子神は気づいたら機械の体になっていました。

犬屋敷さんは最初は戸惑っていましたが、徐々に機械の体に慣れていきます。そして機械の力を使って人を助けることができるということに気づき、人助けをする生き方の中に喜びを見出していくのです。ある時にはヤクザにさらわれた女性を助けることもありますし、病院にいって病気やけが人を直接治療することもあります。犬屋敷さんは人助けが出来ることで大きな満足感や幸福感を感じていました。その表現がとてもよかったとと思います。先ほども書きましたが、犬屋敷さんが元々持っていた優しさが遺憾なく発揮されたが故に、機械になったということに絶望するのではなく人生を好転させることができたのではないでしょうか。

出展:いぬやしき

終盤では犬屋敷さんと家族の関係も変わっていました。

初めは家族からもほとんど相手にされないくらいだったのに、家族でファミレスに出かけたり、公園に散歩に行ったりするようになっていました。

出展:いぬやしき

出展:いぬやしき

犬屋敷さんがテレビで報道されまくって、けが人を癒して神様とまで呼ばれているところを家族も知るようになるシーンがあります。家に帰った犬屋敷さんを呆然と見つける3人。そこで犬屋敷さんは告白します。“僕は犬屋敷壱郎ではないのかもしれない”、と。あのシーンでは妻の返しがとても秀逸でしたね。犬屋敷さんの妻は“新婚旅行は?”と聞きました。そして新婚旅行の出来事を犬屋敷さんはよく覚えていたのです。“たまたま入ったお店のおさかな定食がすごく美味しくて、、、”犬屋敷さんが再び家族に受け入れられた瞬間でした。まぁ娘の犬屋敷麻里は元々ツンデレみたいなものでお父さん子なんだなぁというのが見ていればわかりますが。

出展:いぬやしき

同様にとても印象に残っているシーンがあります。

犬屋敷さんが仕事帰りに息子のたけしと偶然会いました。ぜっかくなので一緒に帰るとことにするとたけしがつぶやきます。“俺も機械の体になりたい”。犬屋敷さんが人助けをするのを見ながら、たけしは自分も機械になって同じようにしたいといいます。たけしは学校でよくいじめられており、親に相談できずにいました。それゆえに機械の体になってもっと強くなりたいという思いもあったのかもしれません。

たけしの言葉をきいて犬屋敷さんが言った言葉がとても深いと思います。

出展:いぬやしき

〝死ぬからこそ大切で愛おしいんだよ。僕と同時に機械になった少年は人を殺すために力を使った。でも僕は人を救うことに使った。これは生まれ持った僕の性質なんだ。僕は弱かったし背も低いけど別にそれでよかったんだ。機械になる前の自分をもっと好きになればよかったって機械になってやっとそう思えるようになったんだ″

犬屋敷さんかっけー!!!

このセリフの中に作者の描きたかったものが詰まっているような気がしました。生まれ持った自分の性質を犬屋敷さんが肯定できるようになったのは機械の体になってからでした。

声優の演技も素晴らしかったですね。小日向文世さんが犬屋敷さんを演じていますが、淡々としたしゃべり方が犬屋敷さんのイメージそのまんまでした。

サイコパス高校生獅子神皓

獅子神

出展:いぬやしき

高校生の獅子神も犬屋敷さんと一緒に機械の体になった一人です。獅子神は一言でいうとサイコパスです。間違いなく一般的な高校生よりもはるかにサイコパス。やばすぎ。機械の体になった途端、簡単に人を殺すようになりました。それはもう、本当に虫けらのように。顔はめっちゃイケメンなのに、しゃべり方からして犬屋敷さん以上に感情なく淡々としてるし、女の子から告白されても“ありがとう”ってだけ言って去っていくし。

出展:いぬやしき

完全に頭おかしいです。

ただなぜ獅子神がここまでサイコパスな人間に育ってしまったのかということは深くは触れられていませんが、家庭環境にあったようです。

獅子神の母親は離婚していて、二人で住んでいます。対して父親は再婚してその再婚者との間に子供もいて豪華な暮らしをしているのです。

出展:いぬやしき

獅子神はみすぼらしい家に住みながらも、自分の実の母親のことをとても大切にしていました。

出展:いぬやしき

何人か人を殺した後に、母親がニュースでそのことを知り、犯人は死ねばいいのに、みたいなことを言っているのを聞いて、獅子神は人殺しをやめようと決心します。しかし既に遅すぎました。朝になると警察に取り囲まれた獅子神は母親を残して逃亡せざるを得ませんでした。

結局獅子神の母親は自殺をしてしまい、唯一の心の支えを失った獅子神は完全に暴走を始めます。誹謗中傷を書き込んだネット民を次々に惨殺しました。

そんな獅子神を止めたのは一度は告白しながらもほぼスルーされた渡辺しおんでした。シナリオ的にはとても重要な人物だと思います。

出展:いぬやしき

筆者が見ていた限りではこのしおんがいたからこそ、獅子神はもちろんやりすぎであるし、死刑になっても同情する必要など全くないくらいのことをしていますが、最後まで嫌いにはなれなかったのです。アニメ「いぬやしき」のEDである「愛を教えてくれた君へ」の歌詞が、犬屋敷さんもそうだけど、この獅子神サイドのことも絶妙に表現していてとても切なかったのです。

獅子神は自分の親しい人は大切にする。

大勢の人を殺した、日本に宣戦布告までした獅子神は間違いなく屑のような人間ですが、そその獅子神も自分と因縁のある人は大切にすることができます。

代表的なのは母親はもちろんだけど、元々友達だった直行としばらく一緒に生活していた渡辺しおんですね。最初のほうで人を殺したのも直行のためでした。直行はクラスで複数の人間からいじめを受けていました(そんなに描写は多くないけど)。直行をいじめてたグループを獅子神はあっさり殺しました。

また獅子神が直行と決別して、いぬやしきさんと戦ってから、獅子神はもう一度直行の部屋に会いに来ます。この時は直行はもう完全に獅子神と敵対しているので、トイレでこっそりいぬやしきさんを呼びます。獅子神が“ただ漫画をと見に来ただけだ”というのに対して直行は激しく糾弾しました。“お前はもう人間じゃない。いったい何人殺したんだ?”と。

出展:いぬやしき

筆者は最初てっきり獅子神はいぬやしきさんと組んだ直行を殺しに来たのかと思いました。しかしその直行の言葉を聞いた獅子神は涙を見せてその場を去ります。結局直行を殺しませんでした。

唐突すぎるが感動した最終話

トランプに激似のアメリカ大統領が院駅の衝突による地球の終わりを宣言します。

アニメでは少し修正されていましたが、原作ではここのセリフも大変汚いものでした。

せっかく犬屋敷さんも家族とまた良好な関係が築けるようになったのに。。。めちゃくちゃ唐突な隕石ですね。

まぁそこはやっぱり犬屋敷さんなので、隕石を自分の力で何とかしようと家族を残して隕石に向かいました。燃料である大量の水を飲んで。しかし犬屋敷さんがどんなにミサイルを撃ち込んでも隕石はびくともしませんでした。

出展:いぬやしき

そこに現れたのはなんと獅子神でした。

“何で君が?”という犬屋敷さんに対して獅子神はこう言います。“俺にだって、しんでょしくない人、、、、しおんとチョッコー(直行)には死んでほしくないんだ。”と。最後の最後まで自分と縁のある人は大切にする獅子神でした。

獅子神は自爆して隕石を破壊するといいます。犬屋敷さんはそのことを直行に教えました。原作だと直行が獅子神に向けて“ごめーん!!”と叫んでいて筆者はこのシーンで泣きそうでした。

獅子神の自爆スイッチを押す直前に犬屋敷さんは獅子神に尋ねます。

“君はあの夜、何であの公園にいたの??”と。

これに対して獅子神は特に回答はしません。これは筆者の予想ですが、獅子神はあの時、直行のことを考えていたのではないでしょうか。直行がいじめられているのを助けてあげられなかったことを悔いていたのではないでしょうか。個人的には非常に余韻の残る週間でした。

冒頭にも載せましたが、この最後のシーン。犬屋敷さんも自爆スイッチを押す始める場面でクワイフの「愛を教えてくれた君へ」が流れます。この曲、めっちゃいい歌だと思うんですよね。個人的には久々にこんなにいい歌聞いたな、という感じでした。獅子神は結果的にじ自身が殺した人の数よりももっと多くの人を救うことになりました。もちろんそれで罪が消えるわけではないですが、皮肉のようなものです。

出展:いぬやしき

この絵が原作そっくりでとてもいい。

歌詞が本当によくこの作品に合っている。

是非フルで聞いてみてください。フルのほうがやばいです。

と簡単に「いぬやしき」の魅力というか印象に残ったところをざっとまとめました。

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